オストメイト相談会(相模原市)

主 催 (社)日本オストミー協会神奈川支部
日 時 平成21年11月8日(日)13時30分〜16時30分
場 所 相模原市大野南公民館大会議室2
交 通 相模原市相模大野5−31−1 電話042−749−2121
講演会 「最近のがん検診PETのお話」
講 師 湘南厚木病院 院長 篠崎 伸明様
相談員 北里大学病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 川村 美紀子 様
展示会 補装具メーカー・販売店の補装具等の展示あり
参加費 無料
ボスター
相談会(相模原市)のアルバム
湘南厚木病院 院長 篠崎伸明先生
最近のがん検診PETのお話
湘南厚木病院 院長 篠崎伸明先生
講演風景
報告
 会員 33名 非会員 24名の参加のもと、西湘・湘南地区での茅ヶ崎相談会、三浦半島地区での横須賀市相談会に引き続き、相模原市南大野公民館において、
講 演:
「最新のがん検診PETのお話」
の講演をしていただき、最後のグループミーティングでは、北里大学病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 川村美紀子様が、相談員として対応してくださいました。
【質問】腫瘍マーカーについて
《回答》腫瘍マーカーが高いからと言ってすべての人に重要ではない。
例)手術前の腫瘍マーカーが正常であった人は、手術後の腫瘍マーカーはあてにならない。
手術前に腫瘍マーカーが上がっていた人で、手術後は腫瘍マーカーが下がった人は、腫瘍マーカーは重要。
【質問】昨年10月に、直腸がんと肛門癌で手術したが、小腸が下がってきた。主治医は、手術してもまた下がってくることもあるし、腸閉塞にもなることもあると言われるが、立ち上がると下がってきたのがわかるので気になる。主治医は、あまり聞いたことがないという。
《回答》症状の人はいても言わないので分からないだけで、女性に多い。今では、メッシュのよいものが出来ているので、「早く手術をすればよかった!」と言う人が多くいる。よく相談するとよい。
【質問】今年2月に手術をした。8月にCTとMRIとPET検査をした。CTとMRIには映っているが、PETでは疑わしいと言われたので3ヵ月後の今月また検査をする。がんにはPETが一番といわれたが、CTとMRIでは映って、PETで映らないことはあるのでしょうか。
《回答》CTとMRIで写ったものは、PETでは必ず写る。CTとMRIはしこりは写るが、がんであるか否かは分からない。PETは “がんであるか”“がんでないか”の評価が出来る。疑わしいというのは、“がんの可能性がある”ということですが、100%ではないので、時間をずらしてブドウ糖の取り込みなどの再検査をする。
【質問】3ヶ月に一回の診察は受けているが、ストーマのそばに小豆大くらいのものが出来て、そこから出血する。主治医に聞くと、たまに出ることはあるが心配はないといわれる。悪いものではないのでしょうか。
《回答》ストーマを作る際、めくり返したときに留めた糸なので心配ない。縫合糸肉芽腫というもので、糸が取れれば治る。取れなくても出血はするが、悪い変化ではないので心配はない。

【質問】8月末に膀胱の全摘手術をした(回腸導管)。主治医に通常の生活をしても大丈夫といわれるが、運動しても大丈夫ですか。
《回答》普通に運動してもよいが、術後3ヶ月間は、腹筋運動はしないほうがいいと指導している。特に腹筋を使うとヘルニアになることがある。
【質問】昨年11月に大腸がんの手術をした。抗がん剤を勧められたが飲まなかった。体重が15キロくらい落ちたので、腹筋をしたりして4ヶ月くらいで体力を回復して今は順調です。ストーマの廻りが少し膨らんでいるように思う。手術で大腸を動かしたため膨らんでいるのではないかと思う。異常は感じていないが、腹筋しても大丈夫でしょうか。
《回答》腹壁ヘルニアがある場合は、腹筋するとひどくなるので主治医に診断してもらうほうがよい。腸は、おなかの壁の奥の方にあるので、表面にはあまり関係ない。
ヘルニアか否かは診察するとすぐ分かるので、膨らんでいるのが、皮下脂肪か、ヘルニアか診断してもらったほうがよい。
【質問】直腸がんで手術前に放射線治療をしてがん細胞は死んだのに、再発の可能性があるので手術をした方がよいと言われて手術をした。そのような場合、手術をしなければいけないのでしょうか。
《回答》放射線は、手術をする前に当てる方法と、手術をしてから当てる方法とがある。手術をしたのは正解です。放射線治療の必要のない人もいるが、主治医の判断です。
【質問】81歳の父親が約24年透析を受けている。8月に大腸がんで右側にストーマの手術をした。透析をしているから抗がん剤は一切使用は出来ないと言われている。肛門から汁のようなものが出るのは何でしょうか。
《回答》肛門が残っている場合は、粘液がでます。抗がん剤は腎臓を傷めやすい。透析をしている人は腎臓がすでに悪いので、透析とのバランスを見て抗がん剤を使うケースもあるが、抗がん剤は75歳くらいまでといわれている。高齢の場合は、抗がん剤が寿命を縮めてしまう恐れもあり控えている。
【質問】1年余り前に膀胱がんで摘出手術をした。主治医から、1年に1回〜2回は抗がん剤治療をしたほうがよいと言われている。抗がん剤治療は75歳までと言われると、受けないほうがよいのでしょうか。
《回答》膀胱がんは高齢者が多いので、年齢制限も弱まってはいますが、私は専門ではないので、専門の先生に従われたほうがよい。
【質問】膀胱がんの手術をした。(回腸導管)4回ほど感染症で40度以上の熱が出て入退院を繰り返している。ストーマからバイ菌が入ることはあるのでしょうか。この予防は水をたくさん飲むことしかないと言われているが、ストーマから尿が出ていないときに逆流するのでは?と思う。
《回答》ストーマの廻りは、バイ菌だらけなので神経質になることはない。尿が逆流しない仕組みがあるが、人工的に作られているので雑菌があがってきて尿路感染症になる。ストーマから出ていないときでも常に尿は流れ出て腸の中にたまっている。体調の変化、汗の量で尿も変わってくるので、尿をたくさん出すために水分を多く取ったほうがよい。

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更新日:2010年9月5日